お酒を飲む時には気持ちよく飲みたいですよね。ただ、時には吐き気やふらつき等の不快な症状が出てしまう場合もありますよね。
お酒を飲んだ時に、二日酔いみたいな不快な症状が飲み始めてからすぐに出た場合、その状態のことを悪酔いと言います。一般的にお酒が弱い人が悪酔いの状態になりやすいのです。
飲んで絡む癖がある人や酒癖が悪い人のことを、悪酔いだと思っている人もいるようですが、実はそれは間違いです。
悪酔いとは、お酒を飲んだ後、血中のアルコール濃度が高くなり、飲んでから2~6時間以内に不快な症状が出ることです。一般的にお酒に弱い方に多く見られる症状です。二日酔いの場合には、飲酒後8~14時間後に不快な症状が出ます。
目次
お酒を飲んで、悪酔いする原因は?
まず最初にお酒を飲むと体内でどのような変化が起きてるのかを説明します。
お酒を飲むと体内に入ったアルコールは、全てが吸収されるわけではありません。一部のアルコールは尿や汗や呼気から体外に排出されていきます。
排出されなかったアルコールは胃や腸から体内に吸収され全身を巡った後に肝臓に運ばれていきます。
肝臓に運ばれたアルコールは肝臓の酵素によって酸化されるのですが、この時にアセトアルデヒドという物質が発生します。
アセトアルデヒドは毒性が強いことで知られています。悪酔いは、血中にアルコールとアセトアルデヒドが同時にあり、体内でアセトアルデヒドの濃度が上昇すると症状が出てくるのです。
つまり、自分のカラダのアルコールを分解するスピードよりも、多くの量のお酒を飲んでしまうと悪酔いが起こるのです。
同じようにお酒を飲んでいるのに悪酔いする人と悪酔いしない人がいるのアセトアルデヒドの分解スピードの差なのです。
アセトアルデヒドの分解する能力が高い人は、悪酔いをする確率が低く、アセトアルデヒドの分解する能力が低い人は、悪酔いをする確率が高くなってしまうのです。
全体的な統計では、下戸の人が約10%、悪酔いをせずガンガン飲める人が約50%、悪酔いをしてしまう人が40%という比率になるようです。
安いお酒は悪酔いするって本当?
安酒は、悪酔いすると聞いたことがあると思います。一般的に安いお酒というのは、不純物、添加物、人工甘味料が多く入っています。
不純物が多く混ざっているお酒を飲むと、代謝に時間がかかってしまうので、アセトアルデヒドが発生しやすくなります。その結果、悪酔いしやすくなるのです。
悪酔いを予防する方法はあるの?
お酒を飲む前に食べておくことで、悪酔い防止してくれる食べ物
悪酔いを防止するためには、体内へのアルコールの吸収スピードを遅くすることが大切です。
空腹の状態でお酒を飲んだ時には、胃の中にお酒以外の栄養がない為、アルコールのみを吸収していきます。
この結果、アルコールの吸収スピードが速くなってしまいます。空腹状態でお酒を飲むことは避けるようにしてください。
特に悪酔いを防止するために、お酒を飲む前に食べておいた方が良い食品があります。その食品は牛乳やチーズといった乳製品です。
牛乳がチーズに含まれている脂肪分が胃壁に脂肪の膜を作り、アルコールの吸収スピードを遅くしてくれるのです。
梅干しやお酢などに含まれているクエン酸も悪酔いを防止するには効果的な食品です。クエン酸は肝機能を活発にしてくれるので、アルコールの分解を促進してくれるという効果があります。
また、コンビニで売っているウコン系のドリンクを飲んでおくのも悪いを防ぐためには効果的です。
悪酔いしない飲み方は?
お酒を飲む時には自分のペースを守って飲み、お酒ばかりを飲むのではなく、食べながらゆっくりと飲むことが大切です。
色々なお酒をちゃんぽんして飲むと、悪酔いをするというのは本当なのでしょうか。実はこれはお酒が混ざるから悪酔いをするということではないのです。
お酒の種類が変わることで、ついついお酒を飲むペースが早くなってしまい、自分の分解できる酒量を超えてしまうことで、悪酔いをしてしまうのです。
お酒を飲んでいる時に悪酔い防止してくれる食べ物
食べながら飲むことが大切なのですが、悪酔いしにくい食べ物もあります。
おつまみの定番である枝豆や冷奴(豆腐)は、アルコールを分解する効果が高い食べ物です。枝豆はビタミンCが豊富でアセトアルデヒドの分解を促進してくれます。
冷奴(豆腐)は、豆腐の原料である大豆に多く含まれている良質なタンパク質がアルコールの分解能力を高めてくれます。
タンパク質が多く含まれている食品としては、チーズを食べることも効果的です。大根に含まれているアミーラーゼという物質は、悪酔いの解消に効果が高いと言われています。
大根は、大根サラダ、大根おろし、おでんなど料理のバリエーションが豊富なので、おつまみの中の1品には加えておいてくださいね。
もし悪酔いをしてしまったら、どうしたらいいの?
アルコール分を排出する
悪酔いをしてしまった場合は、体外にアルコールを排出することが大切です。むかむかして気分が悪い場合には、吐いてしまい、胃の中にたまっているものを出してしまう方が良いでしょう。
また、ギリギリまで我慢していると、いきなり吐いてしまい、服を汚したり、店内やタクシーの中、電車の中が大惨事になってしまうかも知れません。気分が悪くなってきたら、我慢をせずにまず吐くことを考えても良いのです。
水をどんどん飲んで、尿としてとして体外に排出する方法もあります。とにかく、出すと楽になるのです。
アルコールを分解する
果物のジュースを飲んで、果糖を摂ることで、体内でアルコールを分解してくれます。果物のジュースを飲む場合には、果汁100%のものが良いでしょう。
お勧めは、グレープフルーツ、リンゴ、レモンのジュースです。グレープフルーツ等の果物に多く含まれているビタミンCは、アセトアルデヒドの分解を促進してくれる効果があります。
脱水症状を緩和させる
吐いたり尿としてアルコールを輩出していると、体内の水分が減ってしまうため、脱水症状のケアが必要になります。脱水症状にならないように、スポーツドリンクを飲むようにしましょう。
スポーツドリンクの方が、水よりも体に浸透しやすいので、お勧めです。頭痛や悪酔いが覚めた後も、しっかりと水分補給を行いましょう。
胃の粘膜の修復
アルコールは、胃の粘膜に刺激を与えてしまいます。お酒を大量に飲んだ場合、胃酸と胃粘液のバランスが崩れ、胃の粘膜が荒れてしまいます。
胃が荒れて、胃痛や強い吐き気がある場合は胃薬を飲んでも良いでしょう。梅干しを食べたり、梅昆布茶を飲むことも効果的です。梅干しは、胃の粘膜を早く治してくれる効果がります。
お腹を温める
胃、肝臓を温めることで、肝機能が高まり、吐き気を抑えてくれます。簡単な方法としては、カイロを貼ることです。
肝臓のあるお腹の右上あたりにカイロを貼ると、アルコールの分解を促進してくれます。温めるのは、お灸と同じ効果があると考えれば、分りやすいのではないでしょうか。