お年寄りが住んでいる家には、独特のニオイがある場合が多いようです。特に長年住んでいる家の場合、カーテンや絨毯、壁や天井などにお年寄りのニオイが浸みついている場合もあります。
気になる体臭と言えば、加齢臭が有名です。加齢臭の場合、40歳前後から独特のニオイを発するのですが、もっと高齢の60歳以上の方には、加齢臭とは違う独特な臭いを感じることがあります。
この臭いは、一般的には老人臭と呼ばれています。老人臭と加齢臭とは、何が違うのでしょうか。また、老人特有のニオイはどうして発生するのでしょうか。
目次
加齢臭と老人臭は違うの?
老人臭という言葉は、辞書には載っていない言葉です。ただ、一般的には加齢臭とは違う、年配の方の独自の臭いは、老人臭と呼ばれています。
一般的に知られている加齢臭は、40歳ごろから増加して60歳を過ぎると急増します。このニオイの原因は、ノネナールという物質にあります。ノネナールは、油臭く青魚のような匂いです。
ノネナールは、皮脂に含まれる脂肪酸が分解されたり、過酸化脂質によって酸化することで発生します。
老人臭に感じるアンモニア臭の原因は?
加齢臭と老人臭を比べた場合、老人臭の方がアンモニア臭を強く感じます。
本来なら有害物質のアンモニアは体内で分解されるのですが、加齢により代謝が低下している高齢者は、分解されなかったアンモニアのニオイが呼気や肌から放出されます。
アンモニアは、有害物質のため分解されないことは、健康面から考えても、良いことではありません。
加齢臭の場合は、女性の方が急に体臭が強くなったように感じます。
これは、女性は、女性ホルモンの働きで皮脂の分泌を抑えていましたが、女性ホルモンの分泌が減少してくる40歳を過ぎた頃から、皮脂が増え、匂いが強くなってしまうからです。
60歳ごろから感じる老人臭の原因は?
では、なぜお年寄りには独特の老人臭と呼ばれる臭いがするのでしょうか。この独特の臭いの原因は、老化にあるようです。
体内で発生する活性酸素は、脂肪酸と結びつくことで、「過酸化脂質」を作りだします。この過酸化脂質が嫌なニオイの発生源になっているのです。
この過酸化脂質は、もちろん若い人でも発生するのですが、その過酸化脂質の臭いは、飽和脂肪酸という物質が抑えています。
飽和脂肪酸は体から発生する臭い物質を消毒する働きがあるのです。飽和脂肪酸がしっかりと働いてくれるために若い人には独特の体臭が無いのです。
歳を取ってくると、この飽和脂肪酸を作るチカラが弱くなってしまい、独特の臭いが強くなってしまうのです。
つまり、ニオイを抑える物質である飽和脂肪酸を作るチカラが老化により、衰えてしまうことがニオイの原因になっているようなのです。
ストレスや歯槽膿漏が老人臭の原因になっている場合も!
臭いが発生する原因はいろいろあります。意外なところでは、ストレスが体臭の原因になることがあるのです。
体にストレスを感じると、体内から活性酸素が発生します。自分の臭いが気になる人は、そのこと自体がストレスになってしまうのです。
自分が臭っているかもと思い始めることで、ストレスを感じてしまうと更に活性酸素を発生するという悪循環に陥ってしまいます。
また、お年寄りの大半が薬を毎日飲んでいる場合が多く、投薬により発生する臭いを老人特有の臭いだと感じている場合があるのかもしれません。
老化とともに歯ぐきが衰えてしまい、歯槽膿漏になっているお年寄りは多いようです。歯槽膿漏などの口臭が老人臭の原因になっている場合もあるでしょう。
歳を取ってくると新陳代謝が落ちて皮膚表層に老廃物が溜まります。
若いうちはどんどん新しい細胞ができて、皮膚の表面の古い細胞は剥がれ落ちていくのですが、代謝が落ちると入れ替わりのサイクルが長くなってしまうのです。
老廃物が酸素などと化合して、酸化老廃物となる際に臭うのです。
年配の方でも、毎日、お風呂に入っている方やスポーツをしていて代謝の良い方にはそれほどニオイは感じません。
部屋の中の老人臭の消し方、空気清浄機&換気
部屋のニオイを消すためには、プラズマクラスターの空気清浄機を使えばイオンの力での消臭ができます。
ただし、部屋の中で強いニオイを感じる場合は、空気清浄機を使うのと同時に臭いの発生源の対策をしっかりとする必要があります。
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部屋自体に臭いが染みこんでしまっていることも考えられます。部屋のカーテンや布団も定期的に洗うようにしましょう。
部屋の換気が悪い場合も臭いが溜まってしまいます。長年、換気をしないことが習慣になっている方は、ぜひ換気をすることをお勧めします。
換気をしないと、部屋全体のニオイが無くなりません。冬の寒い日でも、朝と夕方の2回は換気をしたいものです。
老人臭を防ぐためには、体の酸化を抑えることが大切です。抗酸化作用のある食べ物を積極的に摂れば良いでしょう。また、適度な運動を行い新陳代謝を促進させることで、ニオイの発生を抑えることができます。
臭いが強い場合は、病気の可能性を疑う!
いろいろ対策を行っても、臭いが減らない場合は、病気が原因で臭いが出ているのかもしれません。
下記のような臭いの場合には注意が必要です。
ニオイと病気の関連性
- 肝臓疾患…小動物のような獣臭
- 痛風…アンモニア臭
- 腎臓病…魚のような臭いまたはアンモニア臭
- 白血病…腐敗臭(便の臭い)
- 胃腸の病気…腐敗臭(便の臭い)
もし、このような臭いを感じる場合には、まず病院に行って検診を受けることをお勧めします。