
アトピー性皮膚炎といえば子供のうちに発症するケースが多いといわれてきました。
しかし、近年では大人になってから発症するケースが増えてきており、これまでとは異なる認識が求められるようになりました。
そんなアトピーを巡る研究の中でとくに近年注目を集めているのが、アトピーとストレスの関係です。
アトピーとストレスの関係は?
ストレスがもたらすさまざまな健康への悪影響が指摘されるようになっています。睡眠障害から胃腸機能の低下、脱毛、肌荒れまで。そんな悪影響のひとつとしてアトピーが挙げられているのです。
その理由は免疫機能との関わりにあります。ストレスに晒され続け、蓄積していくと免疫力が低下していきます。免疫機能の低下・異常によってこれまで反応を示さなかった物質に対して、アレルギー症状があらわれることもあるのです。
現代社会においてアトピーとストレスは非常に密接な関わりを持っています。
この点を知らずにいるとアレルゲン物質に対する過剰な意識や治療が思ったような効果を得られない苛立ちからますますストレスをためてしまい、症状を悪化させてしまう悪循環をもたらしてしまう恐れもあります。
ストレスがアトピーを悪化させる要因
ビタミンB2の働きを阻害
ストレスによって分泌量が増すホルモンには、肌の健康状態を維持するビタミンB2の働きを阻害する作用もあります。
そのため原因となるだけでなく、すで発症している皮膚炎をますます悪化させてしまう要因にもなるわけです。
また肌の乾燥をもたらすことで悪化させる場合もあります。
コルチゾールの分泌量が減少
コルチゾールは、精神的なストレスを感じた時に副腎や表皮細胞で作られる物質です。体内で作られる自然のステロイドなのです。
コルチゾールには、筋肉の血流を増やす効果、血糖値を増やす効果、体を強化する効果などがあります。ステロイドは、アトピー治療に使われ、抗炎症作用があります。
過剰なストレスを感じると、副腎が疲労して、コルチゾールの分泌量が減ってしまうので、アトピーが悪化することになるのです。
表皮細胞で作られたステロイドが皮膚を萎縮させてしまい、肌のバリア機能が低下してしまいます。このことで、刺激に弱くなり、アトピーが悪化するのです。
ストレスによるコルチゾールの減少は、身体の内側と外側から悪影響を及ぼすことになるのです。
アトピーを悪化させてしまうストレスの解消方法は?
アトピーを悪化させないようにするためにも、ストレスを解消する必要があります。あまりにも多くのストレスを受けすぎると、健康な状態に戻りにくくなってしまいます。
そのため、少しでもストレスを感じるようであれば、その都度、ストレスを解消させていく方が良いでしょう。
ストレスを感じた時に最初に行うべき方法は、休息を取ることです。休息を取り、疲れている心と体を休ませましょう。リラックスできる環境を作り、体力を回復させ、心を休めることが大切です。
アロマを使って、気分を落ち着かせたり、趣味に没頭するのも良いことです。ある程度、体力と気力が回復して来たら、次は適度な運動を行いましょう。
体温が上昇することで、痒みを増すことが気になる方もいると思いますが、汗をかくことは、アトピーの回復に効果的ですし、ストレス解消にもなります。